結論:ファインチューニングは「AIの癖を整える技術」。社内資料を“参照させる”のとは別物
ファインチューニング(Fine-tuning)は、ざっくり言うとこうです。
ファインチューニング=AIに“好みの出し方”を学習させる
- 文体やトーンを揃える
- 回答の型を固定する
- 分類・判定などを安定させる
一方で、よくある誤解もあります。
- 社内資料を全部覚えさせたい → 向きにくい
- 最新情報に強くしたい → 向きにくい
- 根拠を必ず提示したい → 別設計が必要
まず整理:RAGとの違い(ここが混ざると失敗する)
| 比較 | ファインチューニング | RAG |
| 目的 | 出力の癖を整える | 社内資料を参照して答える |
| 強み | トーン・型・分類が安定 | 根拠付きで最新資料に対応 |
| 弱み | 頻繁更新に弱い | 資料整備がないと精度が落ちる |
| 向く業務 | 定型文、判定、要約の型 | FAQ、規程、手順、ナレッジ検索 |
結論:「社内資料を答えに反映したい」なら、まずRAGを検討。
ファインチューニングで“できること”
できること①:文体・トーンを統一する
- 社内向けの丁寧さに揃える
- ブランドトーン(硬い/柔らかい)を固定
- メールや提案文の“型”を統一
できること②:定型の出力を安定させる
- 毎回「同じフォーマット」で出す
- 抜け漏れが減る
- 品質がブレにくくなる
できること③:分類・判定が得意になる
- 問い合わせをカテゴリ分けする
- 優先度判定をする
- 文章のNGチェック(ルールベース補助)
ファインチューニングで“できない/苦手なこと”
- 社内資料を全部覚えて常に正確に答える:資料更新があると破綻しやすい
- 根拠を必ず提示する:参照元を渡す仕組み(RAG等)が別途必要
- 最新情報に追随する:学習データが古いと古いまま
- 運用ルールが変わる業務:頻繁な再学習が必要でコスト増
向いているケース(導入すると効く)
- 社内で出力のトーンを揃えたい(メール・文章)
- 毎回同じ“型”で資料を作りたい(提案書骨子など)
- 問い合わせ分類など、判定業務が多い
- 同じミスが繰り返されている(品質のばらつき)
結論:「出し方」を統一したいならファインチューニングが効く。
向かないケース(先に別手段を検討)
- 社内FAQを正確に答えたい(根拠提示したい)
- 規程や仕様が頻繁に変わる
- 資料が散らかっていて、まず整理が必要
現場での“正しい使い分け”|最短で判断する表
| やりたいこと | おすすめ |
| 社内資料を参照して回答したい | RAG |
| 回答の文体・型を統一したい | ファインチューニング |
| 分類・判定を安定させたい | ファインチューニング |
| 最新情報に強くしたい | 資料更新+RAG |
初心者向け:まずは“ファインチューニングなし”で改善できる
実は、多くの場合、いきなりファインチューニングは不要です。
先に「プロンプトの型」を固めるだけで、かなり改善します。
- 出力形式を固定(見出し・表・手順)
- 禁止事項を入れる(推測で補完しない等)
- 品質チェックを入れる(抜け漏れ確認)
この運用で「それでもブレる」「量が多すぎる」となったら、ファインチューニングが候補になります。
迷ったらランキングで“最適解”を確定する
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